はなえむのもり

駐車場に車を停めて大きな窓から見えた季節の窓飾り。その日はたんぽぽやテントウムシ・お弁当が飾られ、春を感じるものでした。
今日ご紹介するのは、新潟市にある子育て支援センター愛らんど。

■愛情たっぷりの場所

ーー まずはじめに設立された当時のことを教えてください。

三沢さん
三沢さん
平成22年4月1日、松の実第二こども園の開園が決定した際、この地域の中学校区内において子育て親子の交流などを促進する子育て支援拠点が必要とされており、新潟市から依頼を受けて併設されました。
地域に根付くこと、子育て親子が気軽に立ち寄ることができることを重視しています。
最近はご近所でも見かけることが少なくなっている子ども同士・ママ同士が出会える、そして安心して安全に楽しく過ごせる場所となるようにという「愛情たっぷりの場所」という思いを込めて「愛らんど」が開園しました。

ーー たくさんの親子が日々いらっしゃると思いますが、いつも心がけていることはありますか?

三沢さん
三沢さん
ここに来てくれる親子は、0歳〜年長さんまでの未就学児です。
ですから、第一子を出産されたママたちにとっては初めての、そしてお子さんにとっても「初めての先生」になるかもしれないと思ってお話しするようにしています。
ドキドキして来てくださる利用者さんに、「先生」の印象をより優しく、やわらかく、温かく感じてもらえるように、第一印象を大切にしようと心がけています。
気軽に会いに行こうと思ってもらえると良いと思いますし、困ったときに相談しにきてほしいと思います。

ーー 確かに、最初の支援センターの先生が「初めての先生」になるかもしれませんね。

 

 

■自分の子育てはこれでいいんだ

ーー 他に大切にされていることはありますか?

三沢さん
三沢さん
「子育て支援」と聞くとお子さんの成長のことがよく言われると思いますが、子育ちの見守りはもちろんのこと、親育ちの見守りも大切にしています。

ーー 親育ちとは?

三沢さん
三沢さん
お子さんが1歳なら、ママもパパも1歳。
分からないことや不安に思うこともあると思います。
ここへ来て色々お話する中で、例えば来館時、出席ノートにいつもママが貼っていたシールを自分で貼れた時「シール貼れるようになったね」と言葉にしてお子さんの成長を一緒に発見して、喜びを共有しています。
それと同じように、ママやパパの頑張りや素敵な場面などもたくさん見つけて、言葉で認めて伝えてあげたいと思っています。
お子さんの成長は、それだけママやパパが一生懸命子どもたちと関わって子育てをしてきたことでもあるので、「パパが一緒に遊んでくれて嬉しかったね」とか、「ママもいつも頑張っているね」とか、気付いたことをお伝えするようにしています。

ーー なるほど。それはママやパパも嬉しいです!

三沢さん
三沢さん
職員や利用者さんが見守る中で、時には悩んで、失敗して、その繰り返しの中で小さな成功体験を沢山積み重ねていってほしいと思います。
その成功を一緒に喜び合い、「自分の子育てはこれでいいんだ」「このままでいいんだ」というママたちの自信につなげてあげたいと思っています。

 

 

■生活リズムに合わせた利用

ーー 愛らんどはどのように利用できますか?

三沢さん
三沢さん
こちらの支援センターはイベントの日以外は年齢制限を設けていません。未就学児であれば誰でも利用できます。
時間は9時〜14時まで通して利用できます。
12時〜13時は持ち込んだランチを食べることもできます。ママ同士、おしゃべりをしながら食べても良いし、職員とおしゃべりしたり、悩みを相談したりできます。ママの食事中はお子さんを見守ることもできるので安心して利用してもらえると思います。

 

 【利用の流れ】
①来館
②手洗い
③受付(出席ノートにシールを貼ります)
④自由遊び
⑤11:15 お楽しみタイム開始
⑥11:30 お楽しみタイム終了
⑦12:00~13:00 ランチタイム開放
※ランチタイム時間は遊びスペースも開放しています
※お帰り前に手洗い
 
授乳スペース

 

ーー 離乳食の時間がずれていたり、お昼寝のリズムなどで、ランチタイムの時間に遊ばせたいという場合でも大丈夫でしょうか?

三沢さん
三沢さん
ランチタイムの時間もスペースを分けて遊べるようにしてますので、安心して来て頂いて大丈夫です。
お子さんの生活リズムに合わせてご利用いただけます。

ーー お楽しみタイムが毎日あると聞きました。

三沢さん
三沢さん
お家でもすぐにできる手遊びやふれあい遊びを紹介したり、絵本読み聞かせをするお楽しみタイムを毎日実施しています。わらべ歌や手遊びで、おうちに帰ってからすぐにできるようなものを選んでいます。
11時15分からお片付けをしてお楽しみタイムの時間になっているので、その時間に合わせて来られる利用者さんもいらっしゃいますよ。


 

 

■両手を広げて待っているよ

ーー 利用された方で印象に残っている方やエピソードなど教えてください。

三沢さん
三沢さん
東日本大震災で被災された方が、2ヶ月のお子様を抱っこして不安そうに来館されました。寒い日だったんですが、閉館間際にいらっしゃったんです。新潟に来てまわりに知っている人もいない、2ヶ月の子と一緒に何をして過ごしたらいいか分からないというお話をしてくださいました。
何度も何度も利用頂いて、ほとんど毎日来てくださっていたのかな、だんだん会話もできるようになってきました。生活面でも、「どこに灯油を買いに行ったらいいですか」とか。
2ヶ月のお子さんを抱えて、知らない土地での生活はほんとに大変だったと思うんですよね。でも、困ったときに、先生どうしようって来てくれるようになったことが良かったと思います。何かあったときにここに来れば助けてもらえるっていうことは支えになったのかなと。利用を重ねるたびに笑顔が増えていったのが印象に残っています。
仕事も開始されて、お子さんが入園した後もお仕事がお休みの日は来てくださっていました。下のお子さんが産まれ、上のお子さんが1年生になる年に、福島に戻る事になり、その前にお顔を見せてくれてとても嬉しかったです。
今でも時々、元気にしているかなと思い出します。

ーー きっと愛らんどはその親子にとって心の支えだったのですね。他にもありますか?

三沢さん
三沢さん
私が保育士として受け持った卒園児さんがママになって利用してくれるようになったことは嬉しかったです。おたよりを見て、「ここに先生がいるんだ」と来てくれたんです。
受け持った卒園児さんの保護者様だった方がお孫さんを連れて、おばあちゃんとして利用してくださったことも印象に残っています。

ーー この記事を見て下さっているママパパに一言お願いします。

三沢さん
三沢さん
まずはどんなところかぜひ見に来てください。
一人で悩まないで、どんなことでも話しに来てください。職員や先輩ママ、同年齢のお子さんを持つママたちとおしゃべりをしていく中で、子育てのヒントがあったり、気持ちの整理がついたり、話すことで気持ちがすっきりしたりします。
そしておうちの中にはない出会いや刺激、発見、楽しみが支援センターにはたくさんあります。
私たち職員がいつでも両手を広げて笑顔いっぱいでお待ちしています!

ーー ありがとうございました!

 

 

この日も3組ほどの親子が来館され、子どもたちはのびのびと興味をもったおもちゃや絵本で遊んでいました。
お楽しみタイムは音楽に合わせて親子で体を動かしたり、手遊びや絵本の読み聞かせ。子どもたちは楽しそうに参加していました。
毎月開催されるイベント内容は、利用されるママたちの声をもとに、今心配に思っていることなどを踏まえてプログラムを組んでいるとのこと。子育て世代が知りたい情報や、親子で楽しめるような内容で毎月開催されています。

また、冒頭でご紹介した窓飾りは、制作期間中に来館すれば親子で制作することができ、翌月に愛らんど正面の窓に飾られます。翌月以降に持ち帰ることができるので、気になる方はホームページや「愛らんどだより」をチェックしてください。

 

【編集後記】
先生たちが、優しく親子に声掛けされているのがとても印象的でした。
愛らんどでは、毎日お楽しみタイムがあることも魅力的。決まった時間にそういったイベントのようなものがあると、メリハリがついて、子どもの生活リズムを整えることにも一役買いそうだと感じました。
あったかい雰囲気で、ゆっくりと過ごすことができます!
お近くの方はぜひ一度足を運んでみてください。

 

子育て支援センター 愛らんど(新潟市西区五十嵐東)

【所在地】新潟県新潟市西区五十嵐東3丁目11番18号(併設 松の実第二こども園)
【連絡先】025-260-2112
【利用時間】月曜から金曜 午前9時から午後2時
【駐車場】有(こども園と共用)

身体測定・お誕生カード作り・育児講座・実技講座・お楽しみ会・子育て相談・絵本の読み聞かせ 等があります。
いつでも遊びにきてくださいね!

一覧へ戻る