ほんの15分でも、ふらっと立ち寄れる安心感。
親子の笑顔が咲く「ちゅうりっぷ」の今と昔をご紹介します。
■空き保育室から始まった親子の居場所
地域子育て支援センターは、子育て家庭を対象に、育児の支援を目的として設置された施設です。

新潟市では、平成8年に私立保育園併設のかたちで最初の子育て支援センターがスタートしました。公立としては、平成11年に「ちゅうりっぷ」が初めて開設されました。
開設当初、「ちゅうりっぷ」は白山保育園の空き保育室を活用して運営を開始しました。当時、新潟市内には同様の施設が2〜3か所しかなく、市内各地から親子が集まり、平均で1日20名、多い日には1日50名を超える利用があったそうです。
今回、開設1年目に保育士として「ちゅうりっぷ」を担当されていた内山さんにお話を伺うことができました。
子育て支援センターは、親子の居場所づくりや、育児に対する不安の軽減を目的に運営してきました。
ーー 開設当初から多くの利用者がいらっしゃったとのことですが、どのように認知が広がっていったのでしょうか?
当時はセンターの数も少なかったため、遠方から足を運んでくださる方もいらっしゃいました。
ボールプールを設置していたのですが、入りきらないほどのお子さんが利用されていました。
ーー それほどまでに、このような施設が求められていたのですね。
「誰かと話したい」「大人と交流したい」と感じる保護者の方が多かったのだと思います。
センターとしては、親子が安心して楽しく過ごせるよう、心を込めて対応してきました。

↑ 開設当初から利用されてきた椅子
■電車が見える、「ちゅうりっぷ」ならではの風景
現在のセンター職員、山岸さんにお話を伺いました。
ーー センターの特徴やコンセプトについて教えてください。
そのために、昨年、受付をフロア内に移動しました。もともとはフロアの外にあり、扉で区切られていたのですが、フロア内に移動したことで、センター内に職員が常時2人以上いる状態になりました。
利用者さんも職員に声をかけやすくなったと思いますし、利用者さん同士も自然と交流が生まれ、よりアットホームな雰囲気になったと感じています。

ーー 確かに、空間の広さも普通の住宅のLDKくらいで、小さいお子さんにも安心感がありますね。ところで、この窓から見えるのは…線路ですか?
1時間に何本も走るので、こどもたちはそのたびに窓辺に集まって、くぎ付けになります。
時刻表も貼ってあるので、「もうすぐ来るよ!」と親子で楽しみに待つ姿も見られます。

電車が通るたびに、こどもたちの歓声が響く様子が目に浮かびました。
「ちゅうりっぷ」は、空間そのものが親子の交流や発見を育む、あたたかな場所になっているようです。
「ちゅうりっぷ」は、未就学児であれば年齢制限なく、どなたでも利用できます。
幅広く受け入れており、他の園に通っている親子でも土曜日だけ利用される方もいらっしゃるそうです。
開所時間は月~金曜日が9:00〜11:30、13:00〜15:30、土曜日は9:00~11:30となっています。
食事やおやつは遠慮いただいていますが、水分補給はOK。お子さんのお昼寝時間や生活リズムに合わせて、無理なく利用できます。
個室の授乳室も完備されており、安心して授乳できる環境が整っています。ミルク用のお湯は持参が必要とのことです。
また、定期的にイベントも開催されており、予約が必要なイベントと予約不要で参加できるイベントがあります。詳細は「ちゅうりっぷ通信」でご確認ください。
イベント開催中でも、奥のスペースでは自由に遊べる場所が確保されているため、イベントに参加しなくても気軽に利用できます。






■気軽に立ち寄れる場所として
「ちゅうりっぷ」は、地域的に転勤族のご家庭が多く、引っ越してきたばかりで周囲に友人がいないという方も多くいらっしゃるそうです。
そんな中、地域とのつながりを大切にしようという新たな取り組みも始まっています。
引っ越してきたばかりで、ご近所にどんな方がいるのか分からないという方も多いと思います。
地域の方とこういった形で交流を持つことは、子育てをしていく中で安心感につながると思いますし、「この地域に来てよかった」と思ってもらえたら嬉しいですね。

ーー 転勤族のように、近くに両親や友人がいない状態は、孤独な育児につながってしまう可能性もありますね。
お子さんの月齢などをきっかけに、利用者さん同士がつながれるよう、私たち職員からも声をかけてサポートしています。
「ちゅうりっぷ」での活動を通して、育児への支援だけでなく、地域とのつながりづくりも意識したイベントが企画されていることが伝わってきました。
野菜の収穫体験やおいもほりなど、施設の外での活動も含めて、職員の方々が利用している親子のことを考えて丁寧に準備されている様子が印象的です。
ーー 印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
これはまさに、私たちが目指している姿で、「どこに行こうか困ったな」と思ったときに「ちゅうりっぷ」を思い出してもらえる、そんな場所でありたいと思っています。
ーー 山岸さんご自身も、育休中にそういった体験があったそうですね。
「こどもがこんなことができた!」とか、「おむつ交換の悩み、どうしたらいいんだろう」など、
大したことじゃないように思えても、誰かに聞いてほしい、話したいと思うことってありますよね。
そうした時にセンターの職員に気軽に話しかけてもらえたらと思っています。
ほんの15分だけでも利用される方もいらっしゃいますよ。
ーー そう言っていただけると、「ちょっと行ってみようかな」と思えますね。最後に一言お願いします。
いつでも気兼ねなく、遊びに来てください!
【編集後記】
今回の「ちゅうりっぷ」取材では、新潟市こども未来部 幼保支援課の担当者の方や、八千代保育園の園長先生にも同席いただき、貴重なお話を伺うことができました。
子育て中の親子に対して、先生方だけでなく、地域のチームで丁寧に向き合っている姿勢に、心強さとあたたかさを感じました。
開設当初の写真も見せていただきながら、当時の様子を伺う中で、毎年少しずつ挑戦と改善を重ねてきた歩みが、今の「ちゅうりっぷ」につながっているのだと実感しました。
そして取材の最後には、電車の写真を撮るために、次の電車が来るまで少しだけ待たせてもらいました。
大人でも「もうすぐ電車が来る」と思うと、なんだかワクワクしてしまいます。ぜひ、窓辺からの景色を実際に体験してみてください。
「ちゅうりっぷ」には、親子の笑顔だけでなく、先生方のやさしい笑顔も咲いていました。
その空間に包まれて、取材する筆者まで、ほっとするような時間を過ごすことができました。
新潟市地域子育て支援センター 「ちゅうりっぷ」
【所在地】新潟県新潟市中央区川岸町1-56-1(八千代保育園内)
【連絡先】025-230-8211
【利用時間】月~金 9:00~11:30・13:00~15:30 / 土 9:00~11:30
【駐車場】有(保育園と共用です)
毎日、自由解放しています。
親子遊び、育児相談、身体測定、誕生会、育児講座、妊婦講座などのイベントがあります。
※水曜(午前)発達支援「ぽけっと」の日(登録制)

